山荘 四季眺の巻
元教師夫妻がつくった
1万坪の「人生の楽園」。
福岡で小学校の教員をされてきた米村さんご夫婦。ご主人は55歳の時に早期退職。第2の人生として、産山で宿の経営を開始。 宿を建てたのは、池山水源の手前にある小高い山の頂き。標高850m。土地の面積はなんと1万坪。 くぬぎ林だった原野を切り拓き、広大な敷地に、わずか4部屋の静かな宿をつくった。 山頂に位置することから、北に九重連山、南に阿蘇山、祖母山までもがパノラマのように広がる。絶景の宿が「山荘 四季眺」なのだ。


…とこう書くと、なにやら敷居の高い、4室限定の高級リゾートと誤解される方もいるかもしれない。実際は、山荘、という呼び方が表すように(建物はピカピカで快適!)きわめて親しみやすい宿。ご主人の米村さんは、よき教師時代を彷彿させる心優しい人。話し上手。「私は教職でしたから、料理のプロではありません。その分、心を込めて地の物、旬の物を精一杯お出ししています」と提供する料理に、毎年通ってくるリピーターも多い。

「うちの宿の料理は、プロと主婦の間を埋める<すきま料理>と呼んでいます。プロの料理人ほど凝れないけれど、家庭料理から一歩踏み出して一手間をかける。産山は素材が良いから、それを活かせば食卓も豊かになるのです」とご主人。山荘の屋外には「星がきれいに見えるように」と外灯はなし。照明が抑えられた館内廊下の奥には檜造りのお風呂。普段はしっかりと湯を抜き、乾燥させているから、清潔そのもの。

最後におもしろいエピソードを。昨年、社会人の女子駅伝チームが合宿でここに滞在。周囲にはスーパーはおろかコンビニさえなく、静かな夜があるのみ。「買い食いもできない」「集中力が削がれることもない」。高地トレーニングの宿として「山荘 四季眺」が選ばれた。チームからはオリンピック選手も輩出。それほどまでに、ここは静かで心地よい。都会の音と光、喧噪に包まれた暮らしから離れ、山の暮らしを味わう。そんな空間が「山荘 四季眺」にはある。


記者余談 :
眺望よし、食事よし、4室限定。きっと料金は高いのだろうな、と伺うと、平日9,300円、金土日9,500円、祝祭日9,800円!「うちは年間を通じてこれだけ。シンプルです」とのこと。「人生の楽園」というテレビにも出演した米村夫妻の「山荘 四季眺」。ここはまさに、山頂の楽園です。