山水亭の巻
ヒゴタイ、タイ国交30年。
目にも美しいグリーンカレー。
産山の村花といえば、希少植物ヒゴタイ。加えて、もうひとつ有名なのが「ヒゴタイ交流」。これは1988年から産山中学校とタイ王国カセサート大学附属中学校とが姉妹校を結び、以来毎年、互いの国の学生がホームステイで異文化を学び合ってきたというもの。30年もの昔から、異文化交流。農村、産山は、実はとても国際的なのだ。
そして、タイといえば、グリーンカレー。産山でグリーンカレーといえば「山水亭」。この店の「グリーンカレーオムライス」はリピーター続出の人気メニュー。私も一度でハマってしまった。まず、トマトベースのハムライスが旨い。ベースがしっかりしている。このライスを、半熟仕上げの卵が芸術品のようにシットリと包み込む。その周囲にグリーンカレーが皿一面に広がるさまは、あたかも阿蘇を囲むカルデラのよう。味はもちろん、目にも美しい盛り付けなのだ。
実は2代目のご主人の龍次さんも中学生の時にタイにホームステイした経験者。バンコクの混沌とした町並みとタイ料理は、強烈なインパクトを彼に残したに違いない。この味を、日本流にどう再現するか。7年前、先代のお父さんとアイデアを練って生まれたのがグリーンカレーオムライス。練ったのはアイデアだけではない。山水亭のグリーンカレーの緑色は、産山名産「チンゲン菜」を練り込んだ色なのだ。身体にも優しいヘルシーなカレー。
もうひとつの隠し味は、和風だし。日本人の味覚にも合うように、かつおとこんぶで出汁を取り、季節野菜の具を溶け合わせる。 カレーに「和」「旬」という要素を採り入れたのがおもしろい。春には、地元「山菜づくし」のてんぷら定食も人気。 また、歯ごたえのある直腸を用いたホルモンは、地元でのリピート率も高く、テイクアウトでも定評ある一品。どのメニューにも創作心があり、ひと味違う旨さがある。 店内外には楽しいイラストが!実はこれ、ホームステイしていたタイの女流イラストレーターが描き上げた作品。
記者余談 :
「グリーンカレーオムライス」の他に、トマト風味が絶妙の「オムライス」メニューも。こちらも酸味が効いて美味。真っ赤なトマトソースが最後の一滴まで旨い。あなたはグリーン派?レッド派? 二人で来たら、食べ比べも楽しいです。