チンゲン菜部会の巻
産山一のブランド品。
その名は、チンゲン菜。
産山をまわっていると、あちこちで「チンゲン菜」を見る。 このコラムでも紹介した「山水亭」ではタイカレーにチンゲン菜を練り込んであるし、「わっか屋本舗」のピザのトッピングもチンゲン菜。 焼肉で火を囲めば野菜の中に必ずといってよいほど、形の良いチンゲン菜が並ぶ。ということで今回はチンゲン菜部会の巻。 実は産山村では30年前から、高地低温という土地を活かして、チンゲン菜を、村をあげて栽培。 池山水源の水を引き入れ、独自のこだわりを持って栽培し続けてきた。現在では二世代目の若手も加わり、11軒の農家がチンゲン菜の部会を作り、日々、育成に力を入れている。
収穫期は春から秋の終わりまでと長い。ピーク期は、午前3時に起床し、一家総出で畑仕事をする忙しさだ。収穫作業の手順は、①抜き取る②根を切り落とす③黄ばみがあれば除く。シンプルな作業だからこそ、野菜の出来自体が決め手になってくる。いかに黄ばみがなく、立派なものを作れるかが勝負。部会では、種や畑ごとに比較し、検査を重ね、時には論評し合い、品質向上を徹底。その努力が「産山チンゲン菜」全体のレベルを高め、市場では他の地域で栽培されたものとの明確な違いとなり「産山ブランド」を形成している。産山のチンゲン菜は「今までのチンゲン菜は何だったのだ」と言いたくなるほどの出来なのである。
部会の女性陣、奥様たちに伺うと、「一番難しいのは水やり。表面が乾いているように見えたからといい、与えすぎると駄目になる。土の中に手を入れてみれば、中は湿気がある場合も。逆に不足するとすぐに黄ばみ、しぼんでしまうから要注意」とのこと。農家にとって、「水やりは永遠の課題(全員の意見が一致!)」。ただし、育成から収穫までのサイクルが短いので、一度失敗しても、次の回でリベンジ可能。失敗を活かし、すぐに頭を切り換えることができるとのこと。おすすめのレシピは家庭ごとに多種多様。漬け物、白和え、クリーム煮、ゆかり和え、豆乳スムージーミックスなど。産山で新しいチンゲン菜の食べ方を探る、そんな旅もいい。
記者余談 :
写真は、チンゲン菜部会の看板女性、二世代目若手の奥様たち。「畑仕事にも、ようやく慣れた」「こんな食べ方もあるよ」「夏は朝3時起き。
子どもと一緒に8時に寝てしまいます」と笑顔がまぶしい。野菜パッケージの裏にある「レシピ」は、それぞれの家庭が持ち回りで担当しているとのことでした。