一言に芸術と申しましてもその内容は文芸、美術、音楽、演劇など多岐に渡ります。
芸術と聞いて、昭和40年代生まれの一般人ことワタクシが真っ先に連想するのは、かの天才芸術家・岡本太郎氏の「芸術は爆発だ!」という言葉でございます。
言葉の意味はまったくわかりませんでしたが、初めて耳にした時は、「なんとなくスゴイ!」と圧倒されたものです。
電動工具を使わないので初心者にも優しく安心です。
伐ったばかりの生きた木は、乾燥木材と違って野菜のように瑞々しく、フレッシュな香りや感触があります。
その生きた木の生命感や、普段目にしない手道具に触れることで、ただ木でモノをつくるだけでなく、木や自然のこと、自然の中にある暮らしのことにまで興味が広がることでしょう。
産山社子屋【芸術】
グリーンウッドワークの二日間
日時:2018年10月13〜14日
場所:ヒゴタイ公園キャンプ村
講師:グリーンウッドワーク協会 小野敦さん
2日間に渡り、岐阜からNPO法人:グリーンウッドワーク協会の小野先生をお招きして催したプログラム「グリーンウッドワークの二日間」は、晴天に恵まれ、少し色づき始めたヒゴタイ公園キャンプ村の広葉樹の森の中、近くは村内から、遠くは山口や長崎からおいでになった参加者で、両日とも満席での開催となりました。
グリーンウッドワークとは、伐ったばかりの木を、電動工具を使わず、産業革命前の伝統的な手工具で暮らしの道具をつくる、古くて新しい暮らしの中の木工です。伐ったばかりの木は、乾燥材と違って柔らかく、野菜のようにみずみずしくフレッシュな香りや感触があります。
1日目は「森の色えんぴつ」
小野先生によるレクチャーのあと、子供も大人も思い思いに木を選び、珍しい形をした手工具を使い、木の枝に穴を空け、芯を差し込み、「鉛筆削り」に没頭されていました。
夜はバーベキューの後、記録フィルム「奥会津の木地師」の上映。まだ、かつて木地師だった人たちがご存命だった頃に撮影されたフィルムを観て、昔の人の技術や知恵に口々に驚いておられました。
2日目は「木の器:ニマ(アイヌ語で木彫りの器のこと)」
1日目から泊まりでご参加の方も多数でした。
木を選び、キャンプ村管理人の博文さんにチェンソーで切り分けていただき、割って、あとは丸一日ひたすら削るのみ。器の凹みを彫るノミを叩く音や斧ではつる音が、キャンプ村の谷に響き渡っていました。
お昼、昔北インドで長く暮らしていた経験のある役場職員が作った、本場の北インドカレーを食べた後も、ひたすら終了時間まで木削りに没頭され、思い思いのかたちの器ができました。
大の大人が夢中になって没頭し楽しんだ時間でした。
グリーンウッドワークは、イギリスのマイク・アボット氏が、産業革命以前の手工具や方法を再発掘し、GREENWOODWORKという本を出版するなど、暮らしの中の木工として紹介されたものが定着し、今世界的な盛り上がりを見せています。
今回の講師、グリーンウッドワーク協会の小野敦さんは、そのマイク・アボット氏や、同時期に同様な活動をアメリカで興されたドリュー・ランズナー氏などに現地で師事し、森林文化アカデミーの久津輪先生のもとで、日本国内でのグリーンウッドワークの紹介と普及に務められました。
グリーンウッドワーク協会も設立から10年、地元岐阜での定期的な「生木の木工教室」や「ろうきん森の学校」の他、西は広島、北は北海道まで、出張講座も頻繁に行われてます。今回はそんなグリーンウッドワーク協会の九州初となるイベントです。